婚姻の自由「両性の合意のみに基づいて」の解釈(同性婚訴訟を分かりやすく説明)

同性婚訴訟はじまる

先日(2月14日)、

同性婚を法律で認めていないことは、憲法違反

だとする同性婚訴訟が提訴されました。

 

ただ、なかには、

「関心はあるんだけど、法律のことよく分からない、、汗」

「どういう主張なのか、わかりやすく教えてほしい

という方がいらっしゃると思います。

 

そこで、僕なりに、説明してみたいと思います。

(法律を一切学んだことないという方にも、簡単に理解できるように分かりやすく説明いたします。)

 

1つ目の争点

今日は、1つ目の大きな争点である、

婚姻の自由について、できる限り、分かりやすくお伝えしたいと思います。

 

その他の争点については、以下の記事をご覧ください。

⇒ 参照:【同性婚訴訟】東大生が分かりやすく説明してみた(同性婚を法律上認めないのは違憲なの??)

 

なお、この記事では、同性婚を認めるか否かについての政治的意見や、特定の政治思想を語るものではありません。あくまで、法律学的観点からの検討を紹介するための記事になります。また、僕は、同性婚訴訟に関わっておりませんので、今後の訴訟や、弁護団の主張と、一部異なる内容もあるかもしれません。ご了承ください。)

 

婚姻の自由

1つ目の争点は、

そもそも同性愛者に、結婚する自由が認められているの?という点が、まず問題になります。

 

憲法には、婚姻について定めた規定があるんですが、

24条1項を読みますと、「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し」と書かれています。

 

さて、あなたは、この条文を読んで、どう思いますか??

 

ラクちゃん
え?両性って、男と女ってことじゃない?
たつや
そう、その通り!

 

同性婚禁止

文言をそのまま捉えれば、

「両性 = 男女の2つの性」と考えるのが、社会一般には相当であると思われます。

 

そうであれば、

「両性の合意のみ」という文言は、「男女の合意のみ」という意味をあらわすことになり、

男同士、女同士による婚姻(すなわち同性婚)は、憲法24条1項が認めていないのではないかということになります。

 

これが、同性婚禁止説です。

 

法律論

ただ、ここからちょっと、難しくなるのですが、

法律上の言葉というのは、必ずしも、日常の言葉の意味をあらわすわけではありません

 

つまり、

「両性」と聞けば、日常的には、普通、「男性と女性」を思い浮かべますが、

法律上は、必ずしもそうではなくて、また別途、検討をする必要があります。

 

ラクちゃん
むむむ、なんだか難しくなってきたぞ。
たつや
大丈夫!具体例をお見せしましょう

 

具体例

あなたが、

アパート・マンションを借りようとして、いろいろと物件を探している姿を想像してください。

 

「お!いい物件だな」と思って、

不動産屋さんに行ったところ、不動産屋さんから、契約書を見せられました。

 

そのなかに、こんな内容が含まれていました。

・犬や猫は飼ってはならない。

 

さあ、このときに、あなたは、何を思いますか??

 

「犬や猫しか書かれていないから、ワニとかヘビは飼っていいんだろう

と考える人は、、、まさか、いませんよね?

 

「ましてや、ラクダならOKかと思う人もいませんよね?

ラクちゃん
オレのこと、呼んだ?

 

法律の解釈

「犬や猫がダメなら、およそペット類・動物はダメなのかな〜」

考えた人が多いと思います。

 

そう、これが、いわゆる法的解釈です。

みなさんが、今、無意識にやっていた行為が、法律用語の意味を考える上で重要になります。

 

つまり、

単に、文言をそのまま形式的に捉えるのではなく、その条文が、どのような背景のもと、どのような経緯で作られ、

法律全体として、どのような目的・趣旨を達成するために、その条文があるのか、

そこを読み取って考えていく必要があるのです。

 

法律学では、“趣旨を考える”といった言い方をします。

(なお、もっと、こみいった法的解釈論がありますが、かえって、読者の理解を阻害させてしまいかねませんので、法律初心者にわかりやすく伝えるという本記事の趣旨達成のため、ここでは、割愛させていただきます。)

 

なぜ、24条1項が生まれたか

では、話を戻して、

憲法24条1項が誕生した経緯は、何だったのでしょうか。

 

これは、戦前日本における婚姻制度が、

親が口を出したり、政略結婚であったり、本人同士の意思が尊重されないという経緯や、男性優位の社会の中で、女性の意思が尊重されていなかったという背景があったことから、

定められたものです。

 

つまり、

あくまで、2人の意思を尊重し、その2人が、互いに結ばれることに合意するなら、結婚を認めるべきであり、

他の人が口を出すのは控えるべきだとする趣旨だといえます。

 

(また、憲法は、そもそも国民の権利自由を保障するものであって、他の法律一般とは異なり、義務を課したり権利を制限するべきではないという点からも、その趣旨を導くことができます。)

 

「両性の合意のみ」

そのような趣旨であることを理解すると、

あくまで、

「両性 = 2人・両者」という意味で解釈することができ、

「両性の合意のみ」という文言は、「ふたりの合意だけで」という意味をあらわすことになります。

 

そう考えると、

男同士、女同士による婚姻(すなわち同性婚)を、憲法24条1項は禁止していないということになります。

 

これが、同性婚容認説です。

(さらに、このなかで、積極的容認説と、消極的容認説の2つに分けられます。後述参照)

 

3つの説

こう考えていくと、

実は、同性婚について、憲法の考え方は、大きく3つの説に分けられます。

 

1)同性婚積極的容認説

憲法は、同性婚を積極的に保障しているという説です。

先述通り、24条を「両性 = 2人・両者」と捉えるとともに、

他の条文13条(幸福追求権)などと相まって、積極的に保障しているのだと考えます。

 

2)同性婚消極的容認説

憲法は、同性婚を禁止はしていないとする説です。

(ただ、積極的に保障しているわけでもないとする説です。もっとも、他の条文から、同性婚保障説を導き出すこともできます。)

 

先述通り、24条を「両性 = 2人・両者」と捉える考え方もある一方で、

あくまで、「両性 = 男女」と形式的に捉えて、ただ、条文制定時には、同性婚を想定していなかったから、

そのような文言になっているに過ぎず、現代の国際的状況などを組んだ上で、この説を導く考えもあります。

 

3)同性婚禁止説

憲法は、同性婚を禁止しているという説です。

先述通り、24条を「両性 = 男女」と形式的に捉え、

同性婚を禁止していると考えます。

 

ただ、この説をとる憲法学者は、今はかなり減っています。

 

おわりに

というわけで、

一つ目の争点について、理解していただけたでしょうか。

 

というか、ここまで読んでくださっている方がいたら、感謝したいと思います。

ありがとうございます!!!

 

 

ふう、、、

この記事を書くの、結構大変でした汗

 

誰か労ってくれると嬉しいです。シェアもぜひしてください!!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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