ホームステイに来た美青年

ようこそ日本へ

映画「君の名前で僕を呼んで」を観ながら、僕はある一つの出来事を思い出していました。

感想はこちら!

⇒ 映画『君の名前で僕を呼んで』

 

この映画は、主人公エリオの家に、ひと夏だけ、オリヴァーという青年がやってくる物語です。

 

僕の家にも、海外の青年が来たことがあります。

僕がまだ小学生のころ、僕の両親は、ホームステイの受け入れをやっていました。

 

毎年、夏に2週間程度、海外から少年少女がやってきました。

ロシアの女子高生が来たこともありますし、カナダの兄弟が来たこともあります。

 

その中で、特に印象に残っているのが、台湾から来た青年でした。

 

空港の到着ロビーで待っていると、背のスラーっとした青年が現れました。

それが彼でした。

 

至福のひと時

それからというもの、毎日のように、家族全員で、彼をいろいろなところに案内しました。

どこに行ったか、今ではほとんど覚えていませんけど。

 

ただ、彼に対して、何度もおんぶや、だっこをせがんだのを覚えています。

 

僕はまだ小学生。

彼は大学生。

 

彼は、何度もだっこや、おんぶをしてくれました。

 

子供ゆえの無垢さから、何度も抱きついて、彼のあたたかさを感じていました。

 

お兄ちゃんになってほしい

彼は、日本語を少し話せました。

 

予め勉強してきたと言っていました。

 

僕は、日ごろから、お兄ちゃんがほしいと言っていたので、母から、彼に「お兄ちゃんになって」とお願いしてみたらどう?って言われました。

 

でも、お兄ちゃんという言葉が通じなかった。

ん?どういう意味?っていう表情。

 

結局、母を通じて、英語で伝えてもらいました。

 

屈託ない笑顔で、「いいよ」との返事。

 

彼との別れ

小学生の僕は、別れという概念がまだよく分かっていませんでした。

 

だから、「また来るからね」という言葉を信じて、空港で見送りました。

でも、次の日になっても、その次の日になっても、彼は家に戻ってこない。

 

僕は大泣きして、○○はどこ?いつ帰ってくるの?なんて母にすがりました。

 

あまりにも何日も泣くもんだから、母が、彼の家に国際電話をかけてくれて、それで話をしました。

 

「たつやくん、元気してる?」って、僕の名前を憶えてくれていました。

 

徐々に薄れる彼の存在

その後も、彼とは、定期的に連絡をとっていました。

 

でも、僕が中学生になり、思春期に入って、妙な恥じらいや、プライドが芽生え始め、連絡をとらなくなりました。

 

これはすごく後悔しています。

 

 

それからは、すっかり疎遠になり、僕が高校生の時、彼が結婚したとの連絡をハガキで受けました。

その時、よく分からない、もやもやとした感情を抱きました。

 

僕と彼との間に、映画のような関係はありません。

彼はゲイでもありません。

 

でも、もし、彼と会うのがもう少し遅ければ、

僕は、間違いなく彼を好きになっていたと思います。

 

そんなことを思い出していました。

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