【中編】嘘の恋活サイト・サクラにだまされた話

先に前編をお読みください!

⇒ 『【前編】ニセのゲイサイトとの出会い・だまされた話

メッセージのやり取り

「もしかして、あなたもサクラなんですか。サクラかどうかはすぐ見抜けますから。」

 

いきなりのメッセージが、そんな内容だったことに、とても驚きました。

 

僕は、慌てて返信を送りました。

「いえ、違います。たった今、登録させていただいた者です。」

 

「ほんとですか」

単発的な質問と、それに対する、無駄に長い僕の返事。

 

そんなやり取りがしばらく続きました。

 

この人、もしかして人間不信なのかなあ。

他のユーザーに、サクラでもいたんだろうか。

そういうふうに、いろいろと考えていました。

 

しばらくして、「あなたが本物の方だと、分かりました。」と来ました。

 

僕は、安心しました。やっとのことで、僕がサクラでないということを理解してもらえたのです。

 

詐欺の手法

しかし、これ、詐欺に使われる手法であるということを、のちに知りました。

いわゆる、‟先手疑い”というもの。(名称は公式・講学のものではありません)

 

疑われる前に疑うことによって、相手から疑われずにすみ、信頼を寄せてもらえるという方法です。

 

この場合だと、僕が相手に対して、「この人は、サクラなんじゃないか」と疑いを抱く前に、相手が僕に対して疑っているように見せています。

そうすると、僕は、「自分はサクラじゃないよ」と、その疑いを払しょくすることに必死になります。(現に必死になりました

その結果、僕の頭の中で、「相手はサクラじゃない」ことが前提になり、無意識に、「相手は実在の人物だ」と思い込み、信じてしまいます。

 

もっと簡単な例があります。

たとえば、あなたが、ブランド物を買いたいと思っているとします。そして、間違っても、ニセのブランド品を買いたくはない。

その時に、ブランド物を売る商人があらわれて、突然、あなたに「お前の持っているカネは、ニセ札だ。だから、この品は売れない」と言ってきます。

そうすると、多くの人は、動揺して、「自分のカネはニセ札ではない。銀行で引き落としたカネだ、店からお釣りでもらったものだ」などと主張することに、必死になります。

 

そして、相手がここまで疑うということは、相手が売ろうとしているブランド品は、「まさか偽物であるはずがない。本物に違いない」と、無意識に思い込んでしまうわけです。

結果として、ニセのブランド品を買わされてしまうというもの。

 

この手法で、僕は、まんまと、「相手の方は、サクラではない。実在する人物だ」と思い込んでしまいました。

 

返信できない

僕は、すっかり安心しきって、さらにメッセージを送ろうとしました。

しかし、送れない。送信ボタンを押しても、画面が動かない。

 

次の瞬間、ポップアップ表示があらわれました。

ポイントが足りません。ポイントを追加してください」

 

気づけば、登録時に与えられていた500ポイントがゼロに。

サクラですか、いやサクラじゃないですよという、どうでもいい会話だけで、ポイントを消費させられていたのです。

 

さすがに、この時点で、おかしいと気づけばよかったものを。

鈍感な自分は、ことの異変に、まったく気づけませんでした。

(書いててすごく恥ずかしい)

 

課金するか否か

僕は、返事をするために、課金するかしないかで悩みはじめていました。

 

というのも、ネット上のサービスに、お金を支払ったことが無かったからです。当時、アマゾンや楽天市場でさえ、使ったことがありませんでした。

 

課金方法は、5つぐらいあったと思います。カード払いや、銀行振り込みなど。

当時の僕は、未成年でクレジットカードを持っていませんでしたので、カード払いはできません。

銀行振込は、本名がばれるかもと思ってしまい、避けました。

 

唯一できるかなと思った支払いが、コンビニのレジで支払うという方法でした。

それでも、レジ払いの時に、どこに支払うのかばれてしまうんじゃないかなどと、不安を抱いていました。

(当時の僕は、今以上にチキンだったんです)

 

新たな人からのメッセージ

課金をためらっているんじゃないか。おそらく、運営サイト側は察したのでしょう。

 

課金をせかすかのように、新規メッセージが届きました。

僕は、「さっきと同じ人から来たのかな。返信を待っているのかな」と思っていました。

 

ところが、またもや、ポップアップ表示。

新たな方からのメッセージです。お写真だけ無料で確認できます」とのこと。

 

すぐに確認しました。

すると、僕が数回足跡を付けていた方からのメッセージでした。

そのサイトは、自己紹介ページへの訪問自体は無料でしたので、いいなと思う方のページを訪問していました。

 

ちょっとうれしかった。いや、すごくすごく嬉しかったです。

なんせ、いいなと思っていた方が、わざわざ、僕にメッセージを送ってくださったんですから。

 

僕は、せっかく連絡をくれたんだから、とにかく返信したいという思いに駆られました。

気がつくと、家を飛び出し、コンビニへと向かう自分がいました。

(人間はおそろしい。いったん盲目的になると、どんな行動でもとれてしまう生き物なんだと思います。)

 

コンビニでの支払い

コンビニに入って、ATMの近くにある小さい機械で、支払い用紙を発券しました。

手がすごく震えました。

 

何か悪いことをこっそりとやっているような罪悪感と、未だ見ぬ世界へ入ろうとしている恐怖。

それに、極度の緊張。

 

発券された用紙には、よく分からない企業名と、複数の番号、そして値段が記載されていました。

これをレジに持っていかねば。

 

こういうときに限って、レジが混んでいて、時間がものすごくゆっくりと流れました。

あとふたり、あとひとり。

おつぎのお客様どうぞー。

僕はずっと下を向きながら支払いをしました。

 

でも、店員さんは淡々と処理して終了。

あっけなかった

店を出たときは、緊張がほどけ、どっと疲れがでました。

 

メッセージ開封

帰宅してサイトを見ると、すでにポイントが増えていました。

 

すぐに、受信ボックスを開きます。

「足跡、ありがとうございます。いま、風邪で寝込んでいたので、ちょっと嬉しかったです。」

 

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