【分析】人が、人を差別する理由・叩く原因は5つ

差別を受けることはつらい

同性愛者として生きる自分にとって、一番辛いのは、やはり差別的言動を受けることです。

 

「キモい」「○ね」「生きる必要ない」などと言われたり、そのような文章を読んだりすると、自分の存在意義や、存在そのものを否定されたような気がして、涙がこみ上げてきます。

ほんとうに辛い。

 

これは、同性愛者のみならず、その他マイノリティとされる、他の性的少数者(両性愛者やトランスジェンダー、クエスチョニング)、外国人、障がい者なども同様で、差別対象となりがちです。

また一方で、社会的に成功している人や、芸能人、有名人なども、誹謗中傷、アンチのターゲットになっています。

 

ネット上にとびかい、リアル世界でささやかれる、誹謗中傷ワードやアンチコメント。

つい直前まで、嬉しいことがあったとしても、その一言が、心の奥底に突き刺さり、一瞬にして人を傷つけます。

言葉は、放った瞬間に「命」を持ちます。ほんの一言で、ひとを死に追い込む可能性もあるのです。

 

人を不幸にしても、幸せが得られるわけではないですよね。

本記事では、「なぜ人は人を差別するのか、たたくのか」、その理由を考察してみたいと思います。

 

ヒトという生き物のバランス

 

前提として、ヒトは、他の人と区別をしたがる生き物であります。

他の動物や生命体と異なり、ヒトは個体ごとに、顔や身長、価値観の全てが大幅に異なっており、全てにおいて同一という個体ペアはほぼ存在しません。

 

しかし一方で、ひとは群れを作りたがる生き物でもあります。国籍や民族、出身地など、様々にカテゴライズして、その集団への帰属意識を求めます。

集団に属することによって、安心感や自己認識欲を充足させるのです。

 

つまり、ひとは、(ア)自分が唯一無二であるがゆえの存在意義を見出したいという欲求と、(イ)集団に属することによって安心感を味わい、その中で認めてもらいたいという欲求とのバランスの中で生きているわけです。

 

では、そのバランスがとれなくなるとどうなるのか。

それが、差別や偏見の理由を探るヒントになります。

 

差別・アンチ的行動の理由

心の中で、嫌悪感や先入観を抱いてしまうことは、誰にでもあるでしょう。

 

しかし、それを心に留めておくのか、それとも外部に言動として表明するのかとの間には、大きな差があります。

外部的言動に出てしまう理由、それは主に5つの要因に分けられるのではないでしょうか。

 

① 無知による恐怖

まず1つ目は、無知から生じる恐怖です。

 

対象物について知らないことにより、その得体の知れなさが、不気味さを増させ、人に嫌悪感、さらには警戒心を抱かせます。

対処法が分からないため、対象物とは異なる側、つまり、集団(マジョリティ)側から、徹底的に排除・弾圧を始めるのです。

先ほどのバランスで言えば、(イ)の欲求に傾き、それを充足させようとします。

ここには、「自分が排除される前に、自ら排除する側に回ろう」という心理も働いています。未知なるものを前にして、「やられる前にやってしまえ」という脅迫観念が働いているのです。

 

具体例をあげてみます。

幽霊・心霊現象

幽霊が存在するか存在しないかは、ここでは置いておくとして、「幽霊 = なんか怖いもの」と考えている人は少なくないと思います。

それは、他でもなく、幽霊が見えないものだからではないでしょうか。

幽霊の話になると、とたんに、声をあらげて「そんなものはない!」と言う人っていらっしゃいますよね。それは、「分からない→恐怖・警戒→否定・排除」という上記のメカニズムが働いているのです。

 

未知のウイルス

新しい病が流行しはじめた時も同様です。

どのように感染するかわからないため、人は、すでに感染している者を、徹底的に隔離、場合によっては抹殺しようとします。(実際は、感染ルートがごくごく限られたものであったとしてもです。)

治癒した人でさえ、差別され続けることもあります。

 

社会的弱者・少数派

マイノリティに対して、差別的発言をする人の多くも、この要因であることが多いです。

話を聞いていると、事実誤認、先入観、誤った知識が数多くみられるのです。

ともすれば、「同性愛は、単なる趣味嗜好で、病気だ」なんて吹聴する人もいて、あまりの無知や偏見に驚きあきれることも多々あります。

 

これらの要因からくる偏見・差別をなくすには、やはり正しい知識を持ってもらえるよう、適切な教育、指導や報道を徹底することが不可欠です。

 

② 自己顕示欲による排他欲

2つ目は、自己顕示欲や自己認識欲求が満たされないことによる排他的欲求です。

つまり、先ほどのバランスで言えば、(ア)または(イ)どちらかに、大きく傾いてしまうことからくるものです。

 

誰しも、「認められたい」「ほめられたい」という欲求を持っています。しかし、その充足感が得られない状態が続いていたり、その欲求が過剰であったりすると、そのうっぷん晴らしの矛先が他人へと向きます。

 

具体例をあげましょう。

常に「自分が一番!」と思っている人

そういうタイプは、他人が自分より幸せであったり、充実した暮らしをしていたりすると、過度な妬み・嫉み・やっかみといった感情を抱きます。

そして、その人の欠点や弱点を見つけ出そうと、あらさがしをして、たたこうとするのです。

「人が人を批判・非難する時、その7割は嫉妬」と言われることがありますが、それぐらい、この要因による差別的行動は多いです。

 

芸能人の結婚の報道など

そういったニュースを聞いて、「まじ、どうでもいいわ」「興味ないし」とつぶやくような人は、ここに該当する場合が多いです。

心のどこかで、「他人の喜びを祝福したくない」という感情がわきおこっています。

本当に興味がなければ、わざわざ、そういうことをつぶやかないし、ましてや、そういった情報すら耳に入ってこないことの方が多いです。

 

過去の栄光を想いつづける人

自分より劣っていると思っていた人間が、優秀になったり、事業を成功させたりすると、その人を攻撃する人もいます。

これは、東大卒の先輩を見ていて、そのような方が少なくない気がします。

人生は長い。だから、高校時の成績や、卒業大学の学歴で勝っていたとしても、その後の人生で逆転することは多々あると思います。

にもかかわらず、過去の栄光をひきずって、今の自身の境遇から目をそらそうと、現に社会的に成功している人に、バッシングをあびせるのです。

芸能人や事業家はもちろん、最近では、ユーチューバーや、ブロガーといった、新富裕層も、ターゲットにされます。

 

自信が無い人

一方で、自分に自信がないがゆえに、ひとをたたく人もいます。

これは、少しでも、自己肯定感を高めようとして、マジョリティに属そうとし、マイノリティをたたこうとするのです。

その簡単な例が、次の外国人差別です。

 

外国人差別

外国人は、文字通り、自分の国では‟外の国の人”ですから、その人らをターゲットにすれば、一瞬にして、自分をマジョリティ側に配属させることが可能となります。

マジョリティとして、マイノリティをたたくことで、自分は多数派にいるという安心感を得られるし、また、同じマジョリティのメンバーから「おまえは仲間だ!」と、まるで信任を得られているような錯覚に陥ります

 

この要因による差別を無くすには、本人自身が、自己顕示欲や自己認識欲求を充足させるための手段や方向性を転換させる必要があります。

たとえば、謙虚な姿勢で、今の自分を分析し、自分磨きや自己啓発といった活動に身を置きます。

努力をすれば、今の自分を変えられ、その成果とともに、他人からの評価も自然とついてくるようになります。結果として自己顕示欲も充足されるのです。

また、他人との比較をやめたり、自己肯定感を高めたりすることも重要です。

 

③ コンプレックスによる同族嫌悪

3つ目は、コンプレックスを抱くがゆえに、自分と似た人に対して嫌悪感を抱いてしまうというものです。

 

自分の特徴に対してコンプレックスを抱いている場合、同じ特徴を有する人に対し、嫌悪感を示すようになりがちです。

これは、先述のバランスが、(ア)に傾いています。

 

あの人、生理的に無理!

例えば、Aさんが、「Bさんは、生理的に無理!きもちわるい」と言っている場合、第三者からみると、えてして、AさんとBさんとは、どことなく共通点があるという場合が少なくありません。

時として、人は、自身のコンプレックスを、相手に見出すがゆえに、その相手に嫌悪感を抱いている場合があるのです。

目が細い、太っている、えらがはっている、、、あげればきりがありません。

 

同性愛者

同性愛者の場合も同様で、差別感情や嫌悪感を示す人(ホモフォビア)のなかには、同性愛者がかくれていることがあります。

海外で、アンチ同性愛者の団体のトップが、実は、かくれ同性愛者であったということもありました。

自分が同性愛者であるという事実を否定したいがために、他の同性愛者を徹底的にたたこうとするのです。

 

過度な学歴コンプレックス

学歴コンプレックスも、度を超えると、差別感情に移行する場合があります。

自分より学歴が高い人に対しては、恐れをなし畏縮する一方で、自分より学歴が低い人に対しては、頭ごなしに、威圧的な態度をとってみせるのです。

それは、高学歴の人に対して抱いた負の感情を、自分より低学歴の人、つまり、自分の方が高学歴な立場になれる相手に、コンプレックスの裏返しとして嫌悪感を見出しています。

ここには、先述の”②自己顕示欲の行き過ぎ”という問題も隠れていますから、より複雑です。

 

この要因からくる差別をなくすためには、自分自身のコンプレックスを冷静に分析して、自分のコンプレックスを”欠点”と思わないようにすることが必要です。

難しいことだと思われるでしょう。

ですが、完璧な人間など、この世に誰一人としていません。自分の一つの”個性”だと思って、寛大な心で自分を受け入れれば、自ずと、他人に対しても寛容になれます。

 

④ トラウマからくる拒絶反応

4つ目は、トラウマからくる拒絶反応です。

 

過去に受けた経験がトラウマとなって、それに近い状況や、犯人に類似する人に対して、拒絶反応を示します。

拒絶反応には、内に向いて過呼吸などになるパターンと、外に向いて差別的言動へと繰り出すパターンがあり、ここでは後者の場合が問題となります。

 

具体例をあげます。

不倫や浮気

あかの他人の不倫や浮気を徹底的にたたく人がいます。

実は、そのような人のなかには、過去に、浮気された経験があるという人が少なくありません。つまり、自身の悲しい記憶を打ち消さんとして、他人たたきの行動に出てしまうのです。

 

(注:浮気や不倫を正当化しているわけではありません。浮気や不倫は、「欲望一瞬、後悔一生」で、最終的に多くの人を不幸にしうるものです)

 

同性愛者

幼い頃に、ゲイ(男性同性愛者)だと思われる人から言い寄られ、その言い寄り方が半ば強引であった場合、その後、同性愛者に対して差別感情を抱くことがあります。

これは、被害者の中に、「ゲイ = 怖い」という感情がうえつけられ、「怖い」という感情が、嫌悪感・警戒心、さらには否定・差別へと形を変えていくためです。

これは、性的虐待を受けた少女が、男性恐怖症になってしまうのと同じメカニズムが働いています。

 

このような要因による差別の場合、害を受けた方の気持ちを考えると、とてもやるせなく、致し方ないようにも思えます。

しかし、性的暴行をくわえたのは、あくまで加害者本人であって、他の同性愛者は、無関係であり何の罪もありません。

 

少しでも被害者の方に、適切かつ十分なフォローやサポートをして、そのトラウマを癒してあがることが肝要でしょう。

 

⑤ 教育による洗脳

5つ目は、教育による洗脳です。

 

教育と言っても、学校教育のみならず、家庭での生育環境や、宗教による信仰も含まれます。

「憎しみは生まれつきじゃない。教えられたの。」

これは、黒人差別の実態を描いた「ミシシッピ・バーニング」という映画で、白人女性が言ったセリフです。

 

日常から、差別意識や嫌悪感を口に出すような家庭で生まれ育った子供は、その子供自身がマイノリティでない限り、いずれ、親と同じく他人に対して不寛容になります。

教育臨床によれば、人の価値観や思想は、15、6歳頃までに大まかに形作られ、20代後半以降は、よほどのことが起こらない限り、変化することが難しいと言われています。

家庭環境は、幼いころから、毎日少しずつ、親の価値観にさらされる場所です。それゆえに、子供本人の思考パターンに、多大な影響力を有しています。

 

この要因による差別を減らすには、家庭とは異なり、全国水準として平均的に教育指導できる、学校という場で、正確な知識の取得、多様性を受け入れる寛大な心をつくっていくことが不可欠です。

最近では、会社でも、そのような取り組みを採りいれているところもあり、子供のみならず大人も、多様性について学べることができるようになっています。

 

おわりに

「なぜ人は、人を差別するのか、たたくのか。」

その理由を考察してきました。

 

ですが、もし最後に言えることがあるとしたら、

差別やたたきは、この世から、永遠に無くなることはないだろう

ということです。

 

諦めの言葉に思われたかもしれません。

しかし、これはむしろ、前向きに考えられると思います。少しでも、1人でも、差別的言動をする人が減っていけば良いのです。

 

現に、この記事を読んでくださっている、あなたがいる。それだけでも、差別を受けたことのある僕としては、とてもうれしく思います。

 

この記事は、1ヶ月かけて作成したものです。

少しでも多くの人に読んでもらうことで、「自分の差別感情が何なのか、どう解決すればよいのか」の足掛かりになるのではと思って、作成しました。

差別がこの世から消えることは無いでしょう。しかし、少しでも減らしていけばよいのです。

 

最後に、もう一度だけ。

言葉は、放った瞬間に「命」を持ちます。

ほんの一言で、ひとを死に追い込む可能性もあるのです。

 

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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